会計年度任用職員制度について

平成30年7月

  2017年(平成29年)5月11日、地方公務員法・地方自治法の一部が改正されました。これまで地公法3条3項3号(特別職非常勤職員)、17条(一般職非常勤職員)、22条2項・5項(臨時的任用職員)を適用して任用されてきた自治体に働く消費生活相談員の多くは、新たに「会計年度任用職員」という名称で任用され直すことになります。2020年(平成32年)4月1日施行に向け、総務省が示しているスケジュールに基づいて、それぞれの自治体で条例や規則の改正手続きが開始されています。遅くとも2019年(平成31年)3月議会までに全国すべての自治体で条例や規則等の制定・改正が一斉に行われ、2019年(平成31年)春には「会計年度任用職員」の募集活動が開始されることになります。また、任用の方法は各自治体によることになります。

しかしながら、自治体に雇用されている消費生活相談員に対しては十分な説明がされていない状況にあるため、主な改正点についてお伝えします。

皆様も自身の勤務先の動きに注視し、職員と情報交換等していただき、必要があれば協会へご相談していただければと思います。本協会として、自治体等へ、要望書を提出する予定でいます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

1 すべての臨時職員・非常勤職員が対象

今回の改正で、臨時職員は「常勤職員の欠員補充」に限定され、また特別職非常勤職員を学校医、学校歯科医など「学識経験のある専門職」に限定し、勤務時間・場所が指定され、上司の指示のもとで勤務する職員は特別職非常勤職員とはならないとしています。従って、現状のほとんどの非常勤職員は、特別職、一般職を問わず、このたび制度化された一般職の「会計年度任用職員」として新たに任用されることになります。

消費生活相談員も、現在多くの自治体において特別職非常勤職員又は一般職非常勤職員となっていますが、改正法により、 一般職の非常勤職員である会計年度任用職員に移行することになります。

2 2020(平成324月から勤務条件が変更

制度上では、期末手当が支給可能になり、フルタイム勤務なら退職手当等諸手当の支給や地方公務員共済、地方公務員災害補償制度が適用になるのですが、すべては各自治体の判断になります。

なお、正規職員と同じ週38時間45分が「フルタイムの会計年度任用職員」、正規職員より1分でも短い勤務時間だと「パートタイムの会計年度任用職員」になります。

3 会計年度任用職員の給料について

総務省は、「会計年度任用職員には新地公法第24条(職務給原則、均等の原則等)が適用されるので、給与決定に当たっては、常勤職員の初任給決定基準や昇給の制度との権衡を考慮する必要がある」と説明しています。

ただし、消費生活相談員は看護師や保育士と違い、該当する常勤職員の給料表が存在しないので、各自治体の条例や規則等の制定・改正作業の中で、消費生活相談員の役割や専門性を自治体に理解してもらい給与決定に反映させるよう、働きかけが必要だと考えています。

4 「会計年度任用職員」で任用されても職名は消費生活相談員

法律では、募集に際して会計年度任用職員としての任用であることを明示することを求めていますが、実際の募集に際して、会計年度任用職員の職についてどのような呼称を用いるかについては、自治体の判断に任せられています。
したがって、消費生活相談員という職名は変わらないと考えられます。

5 採用方法は「選考」採用が適宜の能力実証の方法によることができる

会計年度任用職員の採用方法については、その従事する業務の性質などを踏まえ、競争試験によることを原則とする任期の定めのない常勤職員とは異なり、競争試験又は選考により採用する特例が設けられました。したがって、競争試験によらず、選考によることとし、その方法として面接や書類選考等による適宜の能力実証によることができるとなっています。

なお、会計年度任用職員は、その任期を1会計年度としており、毎年度の選考採用となりますが、同一の者が能力の実証を経て、再度の任用が行われることを妨げるものではなく、消費生活相談員が再任用されることは、充分に認められうるものです。

「消費者安全法施行規則」第8条において、再度任用することは排除されないこと、「改正消費者安全法の実施に係る地方消費者行政ガイドライン」の消費生活相談員の役割(P20)において、「処遇改善、いわゆる「雇止め」の見直し」(参考)について言及しています。

6 会計年度任用職員には労働契約法の「無期雇用転換ルール」は適用されない

労働契約法は公務員には適用されないので2018年(平成30年)4月から実施の「無期転換ルール」は適用されません。

 

平成 30 年6月 27 日、消費者庁消費者教育・地方協力課から各都道府県消費者行政担当課へ発出された「地方公務員法及び地方自治法の一部を改正する法律の施行に伴う 消費生活相談員の任用について」
地方公務員法及び地方自治法の一部を改正する法律の施行に伴う消費生活相談員の任用について

 

【参考】

消費者安全法施行規則

第八条 法第十条の二第二項に規定する内閣府令で定める基準は、次に掲げるとおりとする。

四 消費生活センターは、消費生活相談員が実務の経験を通じて専門的な知識及び技術を体得していることに十分配慮し、任期ごとに客観的な能力実証を行った結果として同一の者を再度任用することは排除されないことその他の消費生活相談員の専門性に鑑み適切な人材及び処遇の確保に必要な措置を講ずること。

改正消費者安全法の実施に係る地方消費者行政ガイドライン

P.21(処遇改善、いわゆる「雇止め」の見直し)

消費生活相談員が、消費者に対して適切かつ迅速な消費生活相談等の対応を行い、かつ消費者教育等を推進していく上では、関係法令や制度を含めた消費者問題に関する専門的な知識と、ヒアリング力、コミュニケーションスキル、交渉力と技術が必要となる。そうした知識及び技術は、消費生活相談員が消費生活の現場において消費者や事業者と向き合う中で獲得できるものである。いわゆる「雇止め」を行うことは、このような消費生活相談員の職の特性に反するものである。 いわゆる「雇止め」については、消費者庁から地方公共団体に対し発出した内閣府特命担 当大臣(消費者及び食品安全)メッセージ及び消費者庁長官通知の中で度々伝えているよう に、実態として非常勤職員の行う業務の中にも恒常的な業務があること、及び、任期ごとに客観的な能力実証を行った結果としての同一者の再度任用は排除されないことについて、総務省と認識を共有しているところであるが(平成 26 年6月付け大臣メッセージ「いわゆる『雇止め』の解消を含む消費生活相談員の処遇改善について」、平成 25 年2月 27 日付け、長官通知「消費生活相談員に対するいわゆる『雇止め』の見直しについて(依頼)」、平成 24 年 8月 28 日付け長官通知「消費生活相談員に対するいわゆる『雇止め』の見直しについて(依 頼)」、平成 24 年7月付け大臣メッセージ「『地方消費者行政の充実・強化のための指針』策定に当たって」)、現在においてもいわゆる「雇止め」を行う地方公共団体が少なくない実情がある。 総務省も近時、臨時・非常勤の職員募集に当たって、任用の回数や年数が一定数に達して いることのみを捉えて一律に応募要件に制限を設けることは、平等取扱いの原則や成績主義の観点から避けるべきであるという見解を示しており(平成 26 年7月4日付け総務省自治 行政局公務員部長通知「臨時・非常勤職員及び任期付職員の任用等について」)、各地方公共 団体においてはいわゆる「雇止め」の見直しが行われることを期待したい。

あわせて、消費生活相談員の職が法律で明確に位置づけられ(法第 10 条第1項第1号) 、消費生活相談員が消費生活相談に関する専門職であることが明らかにされたことに鑑み、その職務と能力に見合った適切な処遇を講じるとともに、資質や実績等を適切に評価することが求められる。

また、消費生活相談員の資質の向上等を図るため、地方公共団体は国民生活センターや民間団体により実施される研修・講座を活用するとともに、地方公共団体自ら研修を実施する場合には、その充実等を図ることにより、消費生活相談員が研修に参加しやすい環境づくりを含め、研修等の機会を十分に確保することが求められる。

 

 


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